現状でIR(統合型リゾート)開業が見込まれているのは大阪と長崎ですが、いずれも反対の声が上がるなど順風とは言えない状況です。しかし、カジノが開業する際に必要になるのが日本人ディーラーの確保です。大阪IRでは2,000人ほどのディーラーが必要となる見込みとあって、カジノスクールなどでの人材育成が急がれています。
カジノディーラーの育成が進む
大阪でのカジノ開業に備えて、関連企業がディーラー育成の取り組みを本格化しています。大阪IRでは2,000人規模のディーラーが必要になると見込まれ、カジノディーラー学校ではコロナ禍で落ち込んだ入学者数の回復しようと模索しているようです。
大阪IR株式会社の中核株主でもある米カジノ大手MGMは2020年から研修プログラムを実施しています。MGM日本法人は2022年3月に関西学院大など6大学から参加する50人の学生に向けたオンライン研修会も開催しています。内容としては、IRの事業運営がテーマとなり、リーダー層の育成が目的となっています。
MGMは2023年から、以前は実施していたラスベガスでの現地研修を再開する意向とのことです。
海外IRへ就職するスクール卒業生も
大阪や東京に教室がある「日本カジノスクール」の卒業生は1,000人ほどになりますが、そのうち2割ほどはすでに海外のIRに就職しています。
また、国内でも当面の就職先としてアミューズメントカジノが人気を集めています。
アミューズメントカジノも増加
日本では、テキサスホールデムポーカーの人気を背景に、東京や大阪などでアミューズメントカジノが増加しています。たとえば、東京にはカジノバーが57店、大阪には23店あります(2022年7月時点)。
毎月トーナメントを開催するお店もあり、多くのプレイヤーが参加しています。誰でも参加できますが、入賞しても獲得できるのは賞金や賞品ではなく、店内で使用できるチップなどになります。ただし海外トーナメントに参加できる権利がもらえる場合もあります。
日本のIR開業を前に、このようなアミューズメントカジノで経験を積むディーラーが今後も増えていくことでしょう。