タイ政府がカジノを含む娯楽施設法案を閣議決定

風真 信

2025年3月27日、タイ政府は観光産業の強化を目的とした「娯楽施設法案」を閣議で承認しました。
この法案は、日本でいうところの統合型リゾート法(IR法)にあたるもので、タイにおけるカジノ合法化への大きな一歩となります。
カジノ合法化に踏み切る背景
タイでは1935年に賭博法が制定されて以来、すべてのギャンブル行為が原則として禁止されています。カジノ施設は国内には存在せず、ギャンブルを楽しみたい観光客はミャンマーやマレーシア、シンガポールといった近隣諸国へ足を運んでいるのが現状です。
一方で、国内では違法なギャンブルも横行しており、社会問題となっていることから、政府はギャンブルを厳しく取り締まるだけでなく、管理しながら合法化する方向にかじを切りました。、社会問題にもなっています。
こうした事情を受けて、タイ政府は「全面的な禁止」から「管理された合法化」への方針転換を進めています。
狙いは、国外に流出している観光収入を取り戻すとともに、違法賭博を抑制することです。
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2029年の開業を目指す
政府院内幹事のウィスット・チャイナルン氏によると、法案は、早ければ2025年4月初旬にも国会で審議が始まる見通しで、順調に進めば2029年に開業する計画です。
建設予定地には、プーケットなどの国際的なリゾート地、また首都バンコクも候補地のひとつとされ、複数の都市で同時に施設が建設される可能性もあるとのことです。
最大5万人収容のコンサートホール、スタジアム、ホテル、ウォーターパークなどが整備される予定で、カジノエリアは全体面積の10%以下に制限される方針です。
期待される経済効果
雇用の創出
施設の建設・運営によって、観光業・サービス業を中心に多くの新たな雇用が生まれると見込まれています。
インフラと関連産業の発展
空港、道路、公共交通機関などの整備も必要になることから、インフラ整備と建設業、不動産、飲食業などの関連産業も活性化することが予想されています。
年間1,200億バーツの収益見込み
政府はこのプロジェクトによって、年間1,000億バーツ(約4,400億円)の新規投資と、**年間1,200億バーツ(約5,200億円)の収益、税収約120億円(約53億円)**を見込んでいます。
国民の意見と今後の注目点
ギャンブル依存症や治安への懸念も
一方で、ギャンブル合法化に対しては慎重な意見も少なくありません。
依存症や治安の悪化などを懸念する声もあり、今後の国会審議ではこうした社会的な影響についても丁寧に議論されることが求められます。
今後、タイの観光・経済の未来を大きく左右するこの法案がどのような形で実現していくのか、引き続き注目が集まります。.
日本との関連性:IR政策における比較材料に
タイが本格的にカジノ合法化に動き出したことで、同じくIR誘致を進めている日本にとっても、その成功例や課題が重要な比較材料となりそうです。