蓮見 歩夢
山口県阿武町での新型コロナの給付金誤送金に端を発してオンラインカジノへの注目が集まっています。オンカジは明確に違法とされないことから、日本国内の利用者が増え続けています。それに伴い、ギャンブル依存症の問題も表面化しています。そこでオンラインカジノを利用することは違法であり、今後は厳しく取り締まるとの考えが岸田総理から発せられました。
山口県阿武町における新型コロナの給付金誤送金の余波はまだ広がっています。衆議院予算委員会の集中審議において、岸田総理がオンラインカジノについて言及しました。
いわく、オンラインカジノは違法なものであり、関係省庁と連携して厳正な取り締まりを行うと発言したのです。さらに資金の流れの実態把握を行い、依存症対策も考えなければならないとの認識を示しています。
国会内ではオンラインカジノについてのヒアリングも行われています。そこでオンラインカジノについては、総合的な対策を行う官庁が存在しないことをあらためて明らかにされています。
実際にはオンラインカジノを利用して客に賭博行為をさせる「インカジ」は警察庁が取り締まっています。また内閣官房がギャンブル依存症対策を行うものの、総合的にオンラインカジノへの対策は取られていないということです。
その一方でオンラインカジノ事業者の規模や実態を政府が把握していないことについては、次のように説明されています。内閣官房によれば、対策を呼びかけることは政府として「オンラインカジノを合法な事業として認めるとの誤解」をもたらす恐れがあるというのです。
よって今後も政府としてはオンラインカジノに関する調査や対策は行うことがないと示しています。そこで国会内では、政府がオンラインカジノは違法であるとの認識を示し、その上で対策を講じることが必要だとの意見が述べられました。
岸田総理の「オンラインカジノは違法」との発言に伴い、その根拠となる法律および条文は明示されていません。これは単に略されたわけではなく、そもそもオンラインカジノを違法と明文化した法律および条文がないからです。
しかし根拠なく岸田総理はオンラインカジノを違法と発言したわけではありません。
適用されるとしたら、刑法における「賭博罪」が該当するものと考えられます。ただしここには、オンラインカジノを対象とするような条件が記されていないのです。
オンラインカジノそのものについての違法性は論じられる余地があります。しかし、ひとつだけ明確な問題があります。過度にギャンブル行為に傾倒することで、生活に支障をきたす人がいるということです。これは決して放置できる問題ではありません。
あくまでも自己責任なので国が関与する必要はないという意見もあります。しかし国家は社会秩序の維持を必要としており、そのためのルールとして法律を制定しています。
つまり、ギャンブルに興じる者が増えることで社会秩序が維持されないと判断すれば、これを取り締まるというのは自然の流れだと言えます。
また憲法には国民の3大義務が記されており、その1つに「勤労の義務」があります。ギャンブルに興じて勤労を怠れば、この義務を放棄するごとにつながります。
オンラインカジノは法律で禁止されていないから利用してもよい、という考えは現状では否定されるものではありません。かといって勤労の義務を放棄するほどのめり込むことは認められていないことを頭に入れておく必要はあるでしょう。自己責任だからとオンラインカジノにのめり込むことは放置してよい、とは言えないということです。
もうひとつ、オンラインカジノを利用するのは個人の自由という考え方もありますが、海外へ流出するお金がどれほどの額なのかを把握しておくことも大切です。試算によれば、オンラインカジノを通して1年間で日本国内から海外へ流出する額は数百億円とも言われます。
これだけのお金が国内消費に向いていれば、景気への影響も少なくないと考えられます。相次ぐ値上がりで苦しくなる国民の生活に、多少なりともプラスに働くのではないでしょうか。その意味でも国は、オンラインカジノへの取り締まりを強化することになると考えられます。
以上を踏まえてオンラインカジノの利用者は、自身がどのように取り組むべきなのかを考える必要があると言えます。
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