2024年11月、米国オハイオ州ではオンラインブックメーカーのスポーツベットの賭け金総額が10億ドルを超え、最終的に10億3,000万ドルに達しました。
これは、2023年1月に同州でスポーツブックが合法化されて以来、2番目に高い水準です。
98%がオンラインのブックメーカーを利用
2024年11月のスポーツブック賭け金のうち、98%に相当する10億300万ドルは、モバイルおよびオンラインプラットフォームによるものです。このことから、オハイオ州のスポーツブック市場はオンラインビジネスとして確立され、急速に成長を遂げていることがわかります。
特に、**FanDuel(ファンデュエル)**が3億5,100万ドル、**DraftKings(ドラフトキングス)**が3億2,900万ドルを取り扱い、これら2社だけでオンラインスポーツブックの全体の66%を占めています。他にも州内では16社以上の大小のブックメーカーが運営されており、それぞれが順調に成長を続けています。今後さらに市場が拡大することが期待されます。
複数のプラットフォームが同時に成長していることは、オハイオ州のスポーツブック市場が活性化していることの証明と言えるでしょう。
スポーツブックの成長がオハイオ州の税収増に直結
オハイオ州のスポーツブック市場は、2024年11月時点で1億7,000万ドル以上の総収益を上げ、前年(2023年11月)と比較して72.5%の大幅な増加を記録しました。この収益増加は州の税収にも大きく貢献しており、2,350万ドルの税収増をもたらしました。
この成功により、オハイオ州は米国におけるスポーツブック市場の最成功州の一つとして位置づけられています
実店舗のブックメーカーが直面する課題
一方で、オンラインの成長に比べ、実店舗型のスポーツブックの市場は低迷しており、全体のわずか2%を占めるに留まっています。
しかし、オハイオ州はこれを軽視せず、実店舗型スポーツブックの活性化に向けた施策を検討しています。具体的には、実店舗運営者に対する税率の引き下げが検討されており、これにより新たな雇用の創出や、地域社会への娯楽提供が期待されています。
専門家の見解と今後の展望
スポーツベッティングに特化した情報サイト「Covers.com」のGeoff Zochodne氏は、次のようにコメントしています。
「スポーツ賭博の合法化は、あくまでスタートに過ぎません。テクノロジーの進化や新たな運営者の参入によって、この業界は常に変化し続けるプロセスにあります。」
オハイオ州の成功例は、日本におけるスポーツブックやオンラインギャンブル市場の育成、そして合法化を進める上で、最適なモデルケースの一つとして参考にできるのではないでしょうか。