カジノ法案の施行により日本でもカジノ開業が数年後には現実のものとなります。
2020年から続く新型コロナウィルスの影響で自治体からのIR誘致申請は9ヶ月延長することになり、計画は大幅に進んではいないのが現状ですが、IR計画自体が中止になることは考えずらいと言えます。
そこで気になるのが、同じギャンブル業界とも言えるパチンコ業界への影響です。ここではその影響とパチンコやパチスロの利用者にどのような変化があるのかを考えてみます。
カジノ法案によるパチンコ業界への影響
カジノ法案により日本にカジノが開設されることになります。カジノ開設は既存のギャンブル施設とも言える、パチンコ業界に影響を与えるのでしょうか。
カジノ法案の施行によりパチンコ業界が受ける影響
カジノ法案が施行されましたが、パチンコ業界への影響はさほどないと考えられます。
基本的にカジノ法案によって設備されるIR(統合型リゾート)のカジノは海外からの観光客をターゲットとしているからです。
もちろん日本人もカジノを利用できますが、当面はIRが全国で3カ所しかなく、入場料が必要になることや28日間で10回しか利用できないなどの入場制限があります。
このため、パチンコ店がターゲットとしている地元の顧客がカジノに乗り換えるとは考えにくいというわけです。
ギャンブル等依存症対策基本法がパチンコ業界に影響を与える?
ただしカジノ法案と共に施行された「ギャンブル等依存症対策基本法」がパチンコ業界に影響を与えることは考えられます。
ギャンブル等依存症対策基本法はカジノを含め、競馬などの公営ギャンブルやパチンコも対象としているからです。その内容として、パチンコ店を運営する企業に対するさまざまな規制があります。
具体的に宣伝広告の自粛や出玉規制を強化した遊技機の普及などが挙げられます。これがパチンコやパチスロの顧客減少につながる可能性があります。
パチンコ業界の動向と未来
パチンコ業界の動向をご紹介します。2013年からパチンコ業界規模は減少を続け、2019年から2020年のパチンコ業界全体の売上高は4695億円となっています。
パチンコとパチスロの年間販売台数もそれぞれ161.6万台(前年比-17.3%)と80.0万台(前年比-26.4%)と大幅に減少しています。2019年のパチンコホール廃業数は437店舗です。
パチンコメーカーの売上高は2020年3月において、セガサミーHDが前期比6.8%増加、平和が1.2%減少で三共が7.0%減少でした。
ギャンブル依存症が問題になっていることからギャンブル性の高い機種は規制され、改正貸金業法や地方自治体の条例規制などパチンコ業界にとっては逆風が吹いていると言えます。
パチンコ業界の今後は
新型コロナウィルスの影響もあって、パチンコ業界は今後も厳しい状況が続くと考えられます。
パチンコの設置台数の減少が続くことに加えて、パチスロも2017年には減少に転じています。さらに1回の出玉が最高2400枚に制限されたパチスロの普及がパチスロファン離れにつながる傾向がみられるように、当面はパチンコ業界は苦しい状況となりそうです。
パチンコ業界から見るカジノ法案
パチンコ業界から見ると、カジノが競合になるということではなさそうです。パチンコ店は全国のあらゆる場所にありますし、地元の人が楽しめるように根付いているのが理由です。
一方でカジノ法案により開設されるカジノは全国で3カ所のみであり、しかも入場料を必要とします。
入場回数制限もあることから、好きな時に好きなだけ通えるというものではありません。これは身近な存在であるパチンコ店とは全く異なるの存在と言ってよいでしょう。
懸念されるのはギャンブル依存症等対策基本法ですが、そもそもギャンブル依存症対策はパチンコ業界として取り組むべきものです。むしろパチンコ業界がより健全なものとして認知されるためには、避けて通れない道とみるべきでしょう。
パチンコ利用者からみるカジノの位置づけ
パチンコ利用者からみたらカジノはどのような存在となるのでしょうか。
パチンコやパチスロの利用者は簡単にはカジノに流れない
パチンコやパチスロの利用者にとっても、カジノは異質の存在です。当たりが出た時の高揚感を味わえるという意味では同じですが、その当たりを出すまでのプロセスは違います。
そのため、興味本位でカジノに足を向けても、やはりパチンコ店に戻ると推測されます。不慣れなカジノよりも、慣れたパチンコのほうが安心できるからです。
一部の人はカジノへ移行する
とは言え、カジノでもビギナーズラックはあります。それも賭け金によっては相当な利益が得られます。おそらくパチンコやパチスロ以上の興奮が得られることでしょう。
そのような経験をした人であれば、パチンコやパチスロからカジノへ移行することは十分にありえます。またパチンコやパチスロで実利を得ている人は、さらに大きな利益が期待できるカジノに移ることも考えられます。パチンコもパチスロも、1回あたりに投じる金額は同じです。つまり当たりが出た時の出玉はそう変わらないことになります。
一方でカジノの場合、1回あたりの賭け金はテーブルで指定された範囲内で自由に変えることができます。すると負け続けていても賭け金を増やすことで大きな当たりを出し、それまでの損失すべてを回収することも可能となります。
これはパチンコやパチスロにはない「戦略」を生み出します。そこに新しい魅力を見出した人は、パチンコやパチスロからカジノに流れる可能性はあるのではないでしょうか。
オンラインカジノでパチスロ風のスロットが楽しめる
場所を問わず誰もが楽しめる
オンラインカジノには「パチスロ風スロット」の存在があります。
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Hawaiian Dreams(ハワイアンドリーム)」はパチスロの「南国育ち」を彷彿とさせ、パチスロのリプレイと同じような「リスピン」機能なども、パチスロファンにとってはお馴染みのものでしょう。
ただ、オンカジの場合はPCやスマホなどに触りなれていない客層には抵抗感がある可能性もあります。しかし、一度やり方を覚えれば案外簡単なことが分かり、スロットが自宅に居ながらにして楽しめるとなれば、パチンコ店に足を運ぶことがなくなる人も出てくる人もいるでしょう。
まとめ
カジノ法案が施行されたからといって直接的にはパチンコ業界への影響は軽微と考えられます。ただしオンラインカジノにはパチスロと同質のスロットがあることから、コロナ禍において外出を控えるパチンコ・パチスロユーザーの一部はオンラインカジノに流れる可能性はあります。
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