責任あるギャンブルとはどのようなものなのか、そしてなぜそのような必要があるのかを説明しています。自分自身のためにも、そして家族や周囲の人のためにも、ギャンブルを行う人やこれから始めようと考えている人はぜひ最後までご覧いただきたいと思います。
健全なギャンブルの考え方
健全なギャンブルとは、適度な時間とお金を費やして楽しめる範囲にある行為です。しかし必要以上に時間やお金をつぎ込むようになると、日時生活に支障をきたすことになりかねません。
ギャンブルに限らず娯楽、遊び、趣味などは生活を豊かにするために楽しむのであれば問題ありません。つまり健全なギャンブルとは、日常生活や仕事に良い影響を与える範囲で行うものと言えます。仕事や家族との時間を確保し、自分の責任において楽しむ分には問題ないということです。
ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症とは、WHO(世界保健機関)が認定している病気です。公的病名はWHOでは「病的賭博」、アメリカ精神医学会の基準では「ギャンブル障害」としています。その症状は、自分に不利益あるいは有害な結果が生じているにもかかわらず、ギャンブルをやめることができない状態にあるというものです。
ギャンブル依存症の人と健常者の脳の働きには、実は明らかな違いがあることが研究によってわかっています。これはギャンブル依存症になると、自分の意思や家族の協力では回復するのが難しくなることを意味しています。
ギャンブル依存症になる理由はいくつかありますが、1つには脳内ノルアドレナリントランスポーターというタンパク質が関与していることがわかっています。この物質が多くなると、利得より損失の比重を軽く考えることでギャンブルに参加しやすくなる傾向があります。
もう1つの理由として、慢性的にギャンブルを行うことで、得られる報酬(快楽)に対する反応が次第に鈍くなり、欲求が満たされない状態ではやめられず、ギャンブルを続けようとする気持ちが強まることが挙げられます。
ギャンブル依存症になる理由はこのようにいくつかありますが、脳に関係する以上は誰にでもその可能性があることを知っておくとよいでしょう。
ゲームが依存症になる時
ギャンブルは勝てば利益が得られるという、報酬を伴うゲームです。報酬が得られることでドーパミンという快楽物質が分泌され、さらなる報酬を得ようと考えるようになります。それが度を越すと、ギャンブル依存症になる可能性があります。自分でも気づかないうちにギャンブル依存症になってしまうと、自分の意思で回復するのは難しくなってしまいます。
ギャンブル依存症のセルフチェック
セルフチェック方法は「DSM5(精神障害診断基準集:米国精神医学会作成)」で定められています。以下の9つの質問のうち、4つ以上が過去12カ月の間に当てはまるとギャンブル依存症と診断されます。
- 望むような興奮を得るために賭け金を増やす
- ギャンブルをやめると落ち着かずにイライラする
- ギャンブルを控えようとするがやめられない
- いつも何かしらギャンブルのことを考えている(勝つ方法を考えることも含む)
- 苦痛な気分(無力感や不安感など)の時にギャンブルをする
- 負けを取り返そうとする
- ギャンブルに熱中していることを嘘をついてまで隠す
- ギャンブルのために人間関係や仕事、教育などに支障をきたす
- ギャンブルが原因の経済的困窮を他人に頼って解消しようとする
- ギャンブルを行う人は定期的にセルフチェックを行い、次のように自分がギャンブル依存症のどの段階にあるのかを把握して行動することが大切です。
ギャンブルに勝ち気持ちが大きくなる
ギャンブルは運良く勝ち続けることで、大きくお金を増やすことがあります。この段階では気持ちも大きくなり、ギャンブルでもっとお金を増やそうと考えます。また、それが可能であると考えることから、時間を惜しんでギャンブルをするようになります。
この段階ではドーパミンが多く放出され、次第に快楽の満足度が低下していきます。これはギャンブル依存症になる段階にあるため、早期にギャンブルをやめる行動を取る必要があります。まずはギャンブル依存症の支援団体である自助グループに足を運ぶことがおすすめです。そこで経験者の話を聞くこともできるので、自分にどのような危険性があるのか理解することができます。
負けが続いて気持ちが落ち着かなくなる
当初は調子良く勝ち続けた人が、負け始めることで陥る状態です。これまで勝っていた状況と現在の状況とのギャップを受け入れることができず、精神的に不安定な状態になっています。自分が理想としている状態とはかけ離れた現実を受け入れることができないので、極めて危険な状態と言えます。本人にその自覚があれば、病院の専門外来へ足を運ぶことが大事です。心理療法や精神療法を必要とする段階だからです。
もし家族が気づいたならば、当人を病院に連れていくか、あるいは家族のための自助グループに支援を求めるとよいでしょう。
負けを取り戻すためにさらに負けて借金をするようになる
この段階になると、すでに自己コントロールができなくなっています。ギャンブル依存症としてはすでに重度にあたります。本人はその状態を回避すべきものであると認識できなくなっているので、周りの人の支援が必要です。家族がいれば、まずは自助グループに相談するとよいでしょう。本人をすぐに専門の病院へ連れていこうとしても、抵抗するかもしれないからです。
家族としてはまず借金を何とかしなければならないと焦るあまりに、すぐに返済しようと考えるかもしれません。しかしここで周囲の人が借金を返済してしまうと、本人は事の重大さを認識しないままギャンブルを続けてしまいます。そこでまずは自助グループに相談し、どのように行動すればよいのか聞くことが大切です。
オンラインカジノ運営者が行っている支援を得るためには
信頼できるオンラインカジノ運営会社は「自己規制」を設定できるようにしています。カスタマーサポートスタッフは依存症に対しての講習を受けています。
- 入金制限: 月、週、日単位での入金限度額が設定できます。利用できる上限金額の設定をし自己管理をする方法です。カジノサイト上で設定もしくはカジノ運営会社のサポートへ連絡をしましょう。
- 時間制限:1度のログインのプレイ時間が設定できます。制限時間に達すると通知されます。カジノサイト上で設定もしくはカジノ運営会社のサポートへ連絡をしましょう。
- 配信停止:カジノから受信しているプロモーションメールを受けとらないためにEメールアカウントを閉めるか、配信を停止してください。また、ギャンブルに関わるグループのフォローをすべて停止しましょう。
- 自己規制:カジノサイトへのログインを自己規制することができます。設定は1日単位から設定することができます。
- 無期限の自己規制:カジノサイトへのログインを無期限で閉じることができます。オンラインカジノ運営会社のサポートに連絡をしてください。
専門家の支援を得る
すでにゲーム行為を自身でコントロール出来なくなっていると感じている場合は、今すぐにギャンブルに関わる全てのアカウントを停止してください。それと同時に家族や友人に打ち明けることで支援を求めましょう。
また、支援団体や専門の医療機関、精神保健センター等に電話やメールを通じて専門家に相談してください。
責任あるギャンブルとカジノ運営会社の責任
「責任あるギャンブル(Responsible Gaming)」は、ゲーミング運営会社がライセンスの条件を満たすために、オンラインカジノ運営会社に義務付けている社会的責任です。オンラインカジノの運営者は責任あるギャンブルの啓発活動と共に、以下の項目について留意させなくてはなりません。- 年齢制限ーオンラインカジノの運営会社は未成年者がギャンブルを行うことを防止する責任があります。 厳しく年齢確認を行うためにプレイヤー全てに身元証明を行うことが義務付けられています。
- 不正行為 ー 各オンラインカジノはマネーロンダリング対策の実施を義務付けてられています。
- データと情報の保護ー顧客の個人情報保護はオンラインカジノ運営会社が守らなくてならない最優先事項です。ポータルはSSLセキュリティプロトコル等を使用して全てのデータが暗号化され、第三者からの盗用を防止しなければなりません。
- 公正なゲームーオンラインカジノ運営会社は、提供する全てのオンラインゲームが安全性と公平性をテスト済みであることを保証しなければなりません。第三監査機関は乱数発生器(RNG)を利用して調査し、その公正性を保証しなければなりません。